1.売手負担の振込手数料への対応
売掛金110,000円に対して、振込手数料220円が差し引かれて入金された場合を例とします。
①振込手数料を「売上値引き」として処理する場合の仕訳は次のようになります。
売上値引き戻り高の消費税区分は、「売上に係る対価の返還等」として処理します。
②また、振込手数料を雑費として処理していた場合は次のような仕訳になります。
この場合の雑費の消費税区分は「課税仕入」となるため、金融機関や買手から振込に係るインボイスの交付を受ける必要があります。
なお、会計上は雑費として処理し、消費税法上は「売上に係る対価の返還等」として処理することもできますので、勘定科目は今まで通り雑費を使用したまま、消費税区分を「売上に係る対価の返還等」に変更することも可能です。なお、その場合の適用税率は、対価の返還等の元となった税率による必要があります。
2.少額な返還インボイスは交付義務が免除
適格請求書発行事業者が国内において行った課税資産の譲渡等につき、値引きや返品、割戻しなどの売上に係る対価の返還等を行う場合には、返還インボイスを交付する義務があります。ただし、その金額が税込1万円未満の場合には、交付義務が免除(適用期限なし)されます。
売手負担の振込手数料の消費税区分を「売上に係る対価の返還等」として処理したときは、返還インボイスを発行する必要がなく、事務負担が軽減されます。
1.「電子取引データの保存の義務」とは
申告所得税・法人税に関して、帳簿保存義務のある事業者が、注文書・契約書・送り状・領収書・見積書・請求書等に相当するデータをやりとりした場合には、当該データを保存しなければならないーーーというものです。具体的には次のような取引が電子取引に該当します。
〇電子メール(メール本文・添付ファイル)による請求書や領収書の送受信
〇インターネットサイト(Amazon、楽天市場、モノタロウ等)からの物品購入
〇クレジットカード利用明細のインターネットでの受け取り
〇電子決済サービス(電子マネー、二次元コード決済等)の利用
〇電子(Web)請求書や電子(Web)領収書の受け渡し
〇複合機のFAX機能を使った取引情報の電子データでの受け取り(紙出力なし)
〇従業員がネットで購入した旅費(航空券、新幹線切符等)の立替払いの精算 など
これらの取引にかかる書類は、令和6年1月1日以降、全て電子データで保存することが求められます。また、受け取った場合だけではなく、送った場合にも保存が必要です。
2.電子帳簿保存法が求める「保存要件」
電子取引データの保存の際には、原則として次の「保存要件」を満たす必要があります。
①「真実性」の確保
・タイムスタンプを付与する
・訂正・削除の履歴が残るシステム等でデータの授受と保存をする
・改ざん防止のための事務処理規程を定めて守る
②「見読可能性」の確保
・ディスプレイやプリンタ等を備え付け、税務職員に指定されたデータを速やかに出力できるようにする
③「検索性」の確保
・取引等の「日付・金額・取引先」で検索できるようにする
3.令和5年度税制改正で講じられた「猶予措置」と「検索要件不要措置」
(1)保存要件が不要になる「猶予措置」
令和6年1月1日より、次の要件を全て満たした場合には、前述の「2.」で示した保存要件は不要で、電子保存が認められます(税務署への事前申請等の手続きは必要なし。)
①電子取引データの保存要件に従って保存できなかったことにつき所轄税務署長が相当の理由があると認めた場合
②税務調査での電子取引データのダウンロードの求めおよび当該電子取引データの出力書面(整然とした形式および明瞭な状態で出力されたもの)の提示または提出の求めに応じることができるようにしている場合
なお、①の「相当の理由」には、資金繰りや人手不足等の理由により、システム等や社内のワークフローの整備が間に合わないなどの事情がある場合が該当します。
(2)検索要件が不要になる「検索要件不要措置」
電子取引データのダウンロードの求め(税務職員からのデータの提示・提出の要求)があった場合に、その求めに応じることができるようにしている場合には、検索要件の全てを不要とする措置が講じられています。その対象者は次のとおりです。
①判定期間(法人は前々事業年度、個人事業者は前々年)の売上高が5,000万円以下の事業者
②全ての事業者(対象者に制限なし※)
※電子取引データをプリントアウトした書面を、日付および取引先ごとに整理された状態で提示・提出することができるようにしていること
1.固定費の改善に取り組む際の視点
固定費には、水道光熱費など会社の自助努力によって短期的に削減等が可能なものと、地代家賃など短期的な見直しが難しいものがあります。まずは、どんな固定費が管理可能なのかを確認することが重要です。そのうえで、短期的には管理不能な固定費だとしても、中長期の視点では改善できるものもありますので、その視点も意識することが大切です。
また、管理可能な固定費の中には、「社長だから管理できるもの」と「部下社員でも管理できるもの」があります。例えば、「従業員の残業代を削減するため特定の業務を外注する」といった場合、「特定の業務を外注する」という社長の意思決定が必要になります。このように固定費を見直す際は、「誰が」管理可能なのかがポイントになります。
2.設備投資に対する考え方
機械や社有車の購入を検討する際には「購入にいくらかかるのか」に加えて、「将来いくらの収益を生み出すのか」についても考えてみましょう。毎月の利益がどれくらい増えるのかを見極めたうえで意思決定をすることが大切です。
また、「その設備が生み出す利益のキャッシュフロー」にも注意が必要です。①どの程度の期間で②どの程度確実に売上が回収できる取引に活用するのかーーーまでを考慮しておくと、設備投資の後も安心です。
3.大規模修繕や設備の更新への準備
会社で固定資産を保有している場合、修繕や更新のためのまとまったお金が将来的には必ず必要となりますので、しっかりと準備をしておく必要があります。ある程度の金額をあらかじめ見積もり、それを経営計画に盛り込み、事前に積み立てておくことが大切です。
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