1.「地域別」の変動損益計算書から経営資源をどこに投入するかを検討する
下表は「地域別」に見た変動損益計算書です。地域A~Cは黒字ですが、地域Dは限界利益率も低く赤字です。このような場合の打ち手の1つとして、変動費や固定費を削減して黒字への転換を図る方法が考えられますが、これが難しい場合、思い切ってその地域からの撤退を考えることも1つの方法です。
地域Dから撤退することで、地域A~Cに人材を含めた経営資源を投入することができます。地域Bの場合、売上は地域A・Cと比べて大きくありませんが、限界利益率は最も高くなっています。そのため、地域Dから撤退した場合に、地域Bから優先して人的資源を再投入することで、効率的に黒字化に貢献することができます。
2.「得意先別」の変動損益計算書では限界利益の構成に注目
下記は「得意先別重点販売戦略検討表」です。ここで注目してほしいのは「限界利益の構成比」です。表は、E社の限界利益が全体の5割近くを占めています。万が一、E社から契約を切られると会社存続の危機に直面します。特定の一社に過度に依存するのではなく、限界利益の構成比のバランスを意識した経営が重要となります。
1.取引先から受け取るインボイスを確認する
自社が発行する書類の確認(洗い出し)を行ったときと同じような書類を、受け取る側として確認することが必要になります。その際、消費税額が記載されている書類はどれか、仕訳入力の際に原票として使っている書類はどれか、を確認します。
取引先においてインボイスの準備が進んでいないことも考えられるため、取引先の準備状況を確認しましょう。インボイス制度が開始される令和5年10月1日から適格請求書発行事業者になるためには、原則として令和5年3月31日までに適格請求書発行事業者の登録申請が必要ですから、その頃までには、取引先も自社発行インボイスの対応準備を始めていると思われます。
2.帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められるケース
請求書等の交付を受けることが困難であるなどの理由により、一定の事項を記載した帳簿の保存のみで仕入税額控除が認められる取引がありますが、この場合、帳簿の記載事項に関し、通常必要な記載事項に加え、次の事項の記載が必要となります。
〇帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められるいずれかの仕入れに該当する旨
【例】①3万円未満の公共交通機関による旅客の運送に該当する場合…「3万円未満の鉄道料金」
②適格簡易請求書の記載事項(取引年月日)が記載されている入場券が使用の際に回収される取引に該当する場合…「入場券等」
〇仕入れの相手方の住所又は所在地(一定の者を除く)
【参考】国税庁「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」(令和4年11月改訂)・問98
3.口座振替・口座振込による家賃の支払
家賃を口座振替で支払っていて、請求書や領収書の発行は受けていないため、家賃の支払いの記録としては、銀行の通帳に口座振替の記録が残るだけであり、不動産賃貸借契約書は作成している。このような場合、インボイスの保存はどうすればよいでしょうか。
契約書に基づき代金決済が行われ、取引の都度、請求書や領収書が発行されない取引であっても、仕入税額控除を受けるためには、原則としてインボイスの保存が必要になります。インボイスの記載事項の一部(例えば、課税資産の譲渡等の年月日以外の事項)が記載された不動産賃貸借契約書とともに通帳や銀行が発行した振込金受取書(課税資産の譲渡等の年月日の事実を示すもの)を保存することで、仕入税額控除の要件を満たすことになります。
あるいは、貸主から一定期間の賃借料についてのインボイスの交付を受け、それを保存することによる対応も可能です。
また、契約書に登録番号等のインボイスとして必要な事項が不足している場合には、別途、登録番号等の記載が不足していた事項の通知を受け、契約書とともに保存していれば差し支えありません。
【参考】国税庁「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」(令和4年11月改訂)・問85
1.災害による損失が生じている場合
雑損控除では、以下のいずれか多い方の金額を所得金額から控除することができます。
①損失の金額 ー 総所得金額等×1/10
②損失の金額のうち災害関連支出金額 ー 5万円
※損失の金額=損害金額(損害等に関連して支出された金額を含む)ー 保険金等で補填された金額
雑損控除とは別に、「災害減免法による所得税の軽減免除」制度も用意されています。損害の状況に応じて、どちらの適用が有利となるか検討することが必要です。なお、事業用資産についての災害損失は雑損控除の対象外ですが、事業所得などの計算上、必要経費に算入することができます。
2.雑所得について、令和4年分からの注意点
雑所得は、「公的年金等」「業務に係るもの」「その他」の3つに分類されます。
〇「公的年金等」:国民年金、厚生年金など
〇「業務に係るもの」:フリマアプリやシェアリングエコノミーといった副業などに係る所得
〇「その他」:個人年金、暗号資産取引から生じた損益など、上記以外の所得
このうち「業務に係るもの」について、以下のとおり改正されています。
事務所名 | 岸野有紀 公認会計士・税理士事務所 |
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